貸家リフォームで優先すべきはどこ?入居前の設備交渉とエアコン選びのポイント
- 2025/09/22
はじめに
貸家を運営しているオーナーにとって、リフォームや設備投資は入居率を左右する重要な要素です。
しかし、すべてを最新の設備にするにはコストがかかりすぎてしまい、どこまで手を加えるべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、実際にあった二階建て貸家のリフォーム事例をもとに、
・どの部分を優先的にリフォームすべきか
・入居前に交渉できる設備とは何か
・エアコン選びや管理で失敗しないためのポイント
を詳しく解説します。
1. 実例:階段リフォームでキッチンはそのままでも入居が決まったケース
ある二階建て貸家では、老朽化が進み入居者がなかなか決まらない状態が続いていました。
そこでオーナーは、階段の向きを変える大規模工事に投資。
一方、古いキッチンはそのまま残す判断をしました。
結果として…
・キッチンは古いままだったにも関わらず、入居者が内定
・「階段が使いやすくなった」という評価が高く、他の設備が古くても入居につながった
この事例から分かること
・入居者はすべての設備が最新であることを求めているわけではない
・生活に支障をきたす部分を優先してリフォームすることで、費用を抑えつつ成約率を上げられる
2. リフォーム優先順位の判断基準
リフォームは、闇雲にすべてを新しくすれば良いわけではありません。
限られた予算を効果的に使うためには、**「入居者が重視する部分」**から優先して手を入れることが重要です。
① 安全性に関わる部分(最優先)
安全に直結する設備は最も優先すべきポイントです。
・階段や手すり
・老朽化した給排水管
・電気系統の故障
・雨漏りや構造上の不具合
理由:
安全性の問題は入居者トラブルや事故につながるリスクが高く、放置は絶対NGです。
② 生活動線に関わる部分(次に優先)
日常生活の快適さを左右する部分は、入居希望者の印象に大きく影響します。
・間取りの改善
・階段や廊下の使いやすさ
・収納スペースの増設
例:
今回の事例では、階段の向きを変えることで生活動線がスムーズになり、入居希望者の評価が大きく向上しました。
③ 水回り設備(できれば改善)
キッチンや浴室は目に入りやすく、清潔感が重視されるポイントです。
ただし、機能がしっかりしていれば必ずしも新品でなくても良いケースもあります。
・古くても清掃でカバーできる場合は現状維持
・あまりに老朽化している場合はリフォーム検討
④ デザイン・見た目(最後でもOK)
壁紙やフローリングなどの見た目は重要ですが、
安全性や機能性に問題がなければ、後回しでも大きな問題にはなりません。
3. 入居前の設備交渉は効果的!その方法とポイント
リフォームコストを抑えつつ入居者満足度を高めるには、入居前の設備交渉を取り入れる方法があります。
設備交渉の流れ
-
内見時に入居希望者から要望をヒアリング
-
契約前に対応できる範囲をオーナーが判断
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設備改善を契約条件として盛り込み、入居を確定
交渉でよくある項目
・エアコンの設置や交換
・網戸やカーテンレールの補修
・照明の追加
・ウォシュレットの設置
メリット
・無駄なリフォームを事前に防げる
・入居希望者に合わせた柔軟な対応ができる
・費用を抑えながら入居率をアップできる
注意点
・交渉内容は必ず書面に残す
・対応できない要望は明確に断る
・費用負担の範囲を明確にする
4. エアコン選びと管理で失敗しないためのポイント
エアコンは入居者からの要望が特に多い設備です。
しかし、機能や設置方法によっては管理が難しくなるケースもあります。
① 製造年数を確認する
・製造から10年以上経過しているエアコンは、故障リスクが高くなるため要注意
・入居前に必ず製造年数をチェックしておく
② シンプルな機能を選ぶ
・複雑な機能がついたエアコンは、清掃対応できる業者が限られる
・管理コストを抑えるためにもシンプルな機能のモデルが◎
③ 入居前のメンテナンスは必須
・内部清掃やフィルター交換を済ませておく
・記録を残しておくことでトラブル防止につながる
5. 費用対効果を最大化するためのポイント
貸家経営では、「かけるべき費用」と「抑えるべき費用」の見極めが成功の鍵となります。
費用をかけるべき部分
・安全性に関わる工事(階段、配管、電気系統など)
・入居希望者から要望が多い設備(エアコン、網戸など)
費用を抑えても良い部分
・キッチンや浴室など、機能が保たれている設備
・デザインや見た目に関する部分(壁紙など)
ポイント
・リフォーム後に必ず写真を残して広告に活用する
・「現状渡し」「リフォーム対応可」といった柔軟な表記を広告に入れると反応がアップ
6. まとめ
貸家のリフォームは、「全部を新しくする」のではなく、
入居者が本当に求める部分に集中して投資することが重要です。
今回の記事のポイント
・安全性に関わる部分は最優先でリフォーム
・キッチンや水回りは必ずしも新品でなくてもOK
・入居前の設備交渉を活用して費用を抑えつつ満足度アップ
・エアコンはシンプルな機能で管理しやすいものを選ぶ
・費用対効果を意識してメリハリのあるリフォームを行う
「どこまでリフォームすべきか迷っている」というオーナー様は、
まずは現状をしっかり分析し、入居希望者の声を取り入れながら計画を立ててみましょう。
当社では、現地調査からリフォーム提案、入居前の設備交渉サポートまでワンストップで対応しております。
貸家経営の不安を解消し、長期的な安定経営を実現しましょう。