「空き家を買い取ってほしい」けど無理?
売れないなら賃貸?再建築不可?“田舎あるある”の現実と解決策
少子高齢化と人口減少が進む中、日本全国で「空き家問題」が深刻化しています。
実家を相続したものの誰も住む予定がない、親が老人ホームに入ったので空き家になってしまった…そんな状況に悩む方も多いのではないでしょうか。
特に地方や田舎では、**「売りたくても売れない」「買い手が見つからない」「再建築もできない」**という“空き家あるある”に直面するケースが増えています。
この記事では、そんな空き家をどう処分・活用すればいいのか、「買い取りが難しいケース」や「再建築不可物件の対処法」などを交えながら、現実的な解決策をわかりやすくご紹介します。
「空き家を買い取ってほしい!」のに断られる理由とは?
空き家を手放したいとき、多くの人がまず考えるのが**「不動産会社に買い取ってもらう」**という選択です。しかし、現実には「買い取り不可」と断られることも珍しくありません。その主な理由は以下のとおりです。
1. 再建築不可物件である
都市計画法や建築基準法により、「再建築ができない土地」というのが日本には数多く存在します。
例えば、道路に2m以上接していない土地や、建築基準法上の「接道義務」を満たしていない場所などでは、建て替えができない=不動産価値が大きく下がるため、業者も買い取りをためらうのです。
2. 利用価値が低い(交通の便が悪い・山奥など)
人が住まないエリア、公共交通も通っていない山間部の空き家などは、**「誰も借りない・住まない・使わない」**と判断されがちです。
特に地方では、こうした“ニーズのない土地”が増えており、「タダでもいらない」というケースすら出てきています。
3. 建物が老朽化・倒壊寸前
築年数が古く、修繕にも莫大な費用がかかる空き家は「むしろマイナス資産」扱いされることもあります。
耐震性や雨漏り、シロアリ被害などがあると、不動産会社も買い取りを避ける傾向があります。
それでも活路はある!「売れない」なら貸す・譲る
もし「買い取ってもらえない」と言われても、あきらめる必要はありません。今は多様な選択肢が用意されています。
◎ 賃貸として活用する
自分で売却が難しいなら、「貸す」という選択肢があります。
たとえ古くても、家賃を安く設定すれば借り手がつく可能性があります。最近では、古民家や空き家を安く借りて自分でリノベーションする「DIY賃貸」なども人気です。
>例:月1〜2万円の格安賃貸として出したら、若いカップルやテレワーク層が契約してくれたケースも。
賃貸に出せば毎月の収入も見込めるため、固定資産税の足しにもなります。
◎ 無償譲渡や「空き家バンク」を活用
自治体によっては、「空き家バンク」という制度で、空き家を希望者に無償または格安で譲渡することが可能です。
地方移住を希望する人や、DIYに興味のある若者、起業家などが対象になることも。
一円でもいいから引き取ってくれる人がいるなら、それだけで負担は軽くなります。
「再建築不可物件」でも売れるケースはある?
結論から言うと、再建築不可物件でも“条件付き”で売れることはあります。
◎ ポイントは「基礎をいじらずリフォーム」
たとえば、建て替えはできないけれど、基礎を残して内装を大幅に改装するなどであれば、住むことは可能です。
こうした物件は、住宅ローンが通りにくいという難点はあるものの、「格安物件」として需要がゼロではありません。
DIY系YouTuberや田舎暮らし希望者、週末拠点・キャンプベースにしたい人などには、一定のニーズがあります。
また、再建築不可でも「隣地を購入して接道義務を満たせば再建築可になる」ケースもあります。専門家(不動産業者・司法書士)に相談すれば、道が見つかるかもしれません。
「それでも売りたい」人が増えている理由とは?
近年、「価格を下げてでも売りたい」という声が急増しています。
その背景には、田舎ならではの空き家事情が存在します。
◆ 相続したけど誰も使わない
親から相続したけれど、自分は都市部で生活しており、戻る予定はない。管理もできず、放置するだけ。
そうなると、空き家は負の資産に変わります。
◆ 固定資産税・草刈り・修繕費…地味に重い負担
誰も住んでいない家でも、税金はかかります。
放置して倒壊すれば近隣トラブルになり、自治体から**「特定空き家」**に指定されると、固定資産税の優遇措置も外れます。
「タダでもいいから処分したい」「0円でも売りたい」と言われる背景には、そうした現実的な負担があるのです。
田舎あるある:「好条件だけど売れない」も…
不思議なことに、広い土地付き・眺望良好・駅も車で10分といった“好条件”なのに売れない空き家も存在します。
その理由は次のようなものです:
- 地域に人がいない(高齢化率90%など)
- 店舗・商業施設がまったくない
- 学校がすでに廃校済み
- 地元の人が「住む場所」ではなく「出ていく場所」と思っている
つまり、「条件が良い=売れる」ではなく、「暮らす人がいるか」が最大のポイントなのです。
また、田舎特有の「土地に関する制限(農地転用・境界不明・共有名義など)」も足かせになる場合があります。
最後に:空き家は“動かせば”出口が見えてくる
空き家問題に直面したとき、つい「どうせ売れない」と思い込んでしまいがちです。
ですが、視点を変えることで、売れる・貸せる・譲れる可能性は十分にあります。
✔ まずは調査と相談を!
- 不動産会社に査定を依頼
- 地元の空き家バンクや役所に相談
- 司法書士や行政書士に登記・名義などのチェック
をしてみましょう。
現状を整理することで、初めて“打つ手”が見えてきます。
まとめ:空き家を活かすには「知恵」と「柔軟さ」がカギ
- 空き家は「買い取ってもらえない」場合もあるが、貸す・譲るという道もある
- 再建築不可でも、条件次第で売却や活用の可能性はある
- 相続・放置はコストがかさみ、負の資産化しやすい
- 田舎特有の事情や“あるある”に柔軟に向き合うことが大切
「どうせ売れない」と諦めず、空き家の可能性を“動かして”みてください。
意外と、手を差し伸べてくれる人がいるかもしれません。